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【文学賞】第28回三島由紀夫賞 受賞作は上田岳弘氏『私の恋人』! 又吉氏『火花』は受賞逃すも高評価!

新潮社が主催する文学賞第28回「三島由紀夫賞」と「山本周五郎賞」が5月14日発表されました。

(6/1『私の恋人』書評・感想を追加)

三島由紀夫賞には上田岳弘氏の『私の恋人』山本周五郎賞は柚木麻子氏の『ナイルパーチの女子会』がそれぞれ受賞。

話題の又吉直樹氏『火花』は、上田氏との二作品受賞という案も出たほど選考会は長時間紛糾し、候補作5作品の最後の2作品にまで残ったものの受賞は逃しました。

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☆第28回三島由紀夫賞のノミネート5作品

上田岳弘『私の恋人』(新潮4月号)

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岡田利規『現在地』(河出書房新社)

滝口悠生『愛と人生』(講談社)

高橋弘希『指の骨』(新潮社)

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又吉直樹『火花』(文藝春秋社)

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■選考経緯

5月14日当日、三島賞・山本賞の選考会と受賞発表の配信番組を見ていましたが、なかなか発表が行われず、先に発表されたのは「山本周五郎賞」の方でした。

受賞発表をした選考委員代表の辻原登氏によると、上記候補5作の内、まず岡田利規氏の『現在地』と高橋弘希『指の骨』が選考対象から外れ、
上田氏、又吉氏、滝口氏の三作品が残り、上田、又吉両氏の2作品受賞でもという意見もあったが、最後はこの2作品を多数決で決めることになり、
5人の選考委員が3対2で上田岳弘氏の『私の恋人』に決定したとのこと。

■三島賞そのものへの辻原氏の私見

辻原登氏自身も『火花』を高く評価しており、自身が三島賞の二作受賞論を強く主張したことも告白しており、
以下の様にも語っていた。

最初の選考で、辻氏は『私の恋人』を推していたというが、「議論を進めていくうちに『火花』に変えた」と明かし、「『火花』の可能性というか、小説の豊かさ、面白さに強いシンパシーを感じた」という。

さらに辻氏は「2作受賞でいいと思った」といい、「投票ではダメもとで2作に丸をした。2作受賞だったら、三島賞が面白くなったのではないかと今でも思っています」と笑顔で意見するも、結果は1作の受賞に。理由について「1つ選ぶことで、和やかに決まってしまうよりも、自分の文学観をぶつけ合うのが公正な選考に繋がると思う。2つあると、なんのために選考しているのか」と話した。

第28回三島由紀夫賞受賞 『私の恋人』上田氏の評価

受賞作の『私の恋人』は「これからの文学のある一定の道を切り拓く作品であると考えていい」と評価し、
「2作受賞は面白いとは思うが、『私の恋人』に決まってよかった」と語った。

『火花』又吉氏の評価

『火花』は又吉の文芸誌デビュー作として今年2月号の『文學界』に掲載。漫才師を題材にしており、辻氏は「見事な職業小説であり、青春小説になっている。特に主人公と先輩の友情と葛藤、そこに絡んでくる女性。その描き方がリアルに描かれている。非常に高い評価を得た」「我々をグイグイ物語に引き込むような作品」と評した。

上記引用部分:オリコンスタイル


今回受賞した上田岳弘氏は、『太陽』で第45回新潮新人賞受賞、第27回三島由紀夫賞候補作に、二作目の『惑星』は直近の第152回芥川賞候補作に選ばれ、作風は純文学とSFが織り混ざった様な、これまでにない新しいタイプの作品を描いている。

今回受賞をされた上田氏には、今後も新しい形の小説というものを創り上げて頂きたいという期待をし、受賞を逃した他の方々にも次々と作品を発表して頂いて、文学・出版の世界を盛り上げて頂きたいと思っています。


『私の恋人』『愛と人生』に関しては、三島賞までに読了することが出来なかったので、改めて書評を掲載させて頂きます。

また「山本周五郎賞」については、稿を改めます。

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